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旅館の国際化が求められている
国は、2007年6月に「観光立国推進基本計画」を策定し、日本のツーリズム振興のために以下の5つの目標を定めた。 そして2008年10月に観光庁を発足させて、これ等の目標の実現に取り組んでいる。
【基本的な目標】
1. 訪日外国人旅行者数を2010年までに1,000万人にすることを目標とし、将来的には、日本人の海外旅行者数と同程度(2020年には倍増の2,000万人)にすることを目指す。(2006年:733万人)
2. 我が国における国際会議の開催件数を2011年までに5割以上増やすことを目標とし、アジアにおける最大の開催国を目指す。(2005年:168件)
3. 日本人の国内観光旅行による1人当たりの宿泊数を2010年度までにもう1泊増やし、年間4泊にすることを目標とする。(2006年:2.77泊)
4. 日本人の海外旅行者数を2010年までに2,000万人にすることを目標とし、国際相互交流を拡大させる。(2006年:1,753万人)
5. 旅行を促す環境整備や観光産業の生産性向上による多様なサービスの提供を通じた新たな需要の創出等を通じ、国内における観光旅行消費額を2010年度までに30兆円にすることを目標とする。(2005年:24.4兆円)
海外からの訪日旅客数(インバウンド)を拡大し(目標1と2)、日本人の海外旅行者数(アウトバウンド)を増加し(目標4)、国内観光旅行を発展させて(目標3と5)、将来にわたる豊かな国民生活の実現のために観光の持続的な発展を政府は推進させるというのだ。
最近になって 観光庁は、国交相に就任した前原大臣の指示を受けて、インバウンド2,000万人達成目標年を2020年から4年早めて2016年とし、2019年には2,500万人に そして将来には3,000万人を目標とすることとした。 そして、この実現のために観光庁の来年度予算の大幅な増加を要求している。 また 2010年を「Visit Japan Year」と位置づけて10カ国語による日本を紹介するWebサイトを立ち上げる。 このサイトでは、日本に興味を持つ外国人にアンケートを行い、外国人のニーズのデータベースを作成しインバウンドの集客力の向上に貢献させる。 「観光産業のイノベーション促進事業」や「国際観光ホテル整備法」の積極的活用などにより宿泊施設をはじめとする受け入れ体制も強化する。 野心的目標と矢継ぎ早の連続した具体策の設定を見ていると、“観光立国”と言う名にまさに相応しく日本がツーリズムでヤット開国した感がある。
3,000万人のインバウンド旅客数は、単純計算すれば1日当たり8万人以上の外国人が日本にやって来ることになる。(平均4泊日本に滞在すると仮定すれば1日当たりの人数は32万人となり、これに現在の外国人登録者数220万人を加えると宮城県の人口とほぼ同じの250万人の外国人が常時日本に居ることになる。) 3,000万人は、現在の規模の3倍〜4倍となる。 そして多くの外国人が旅館にも宿泊するだろう。 外国人の予約に対しては「We are full」とだけしか回答しない旅館が未だ多く存在すると聞く。 ある欧州から来た外人が九州の旅館に泊まって数日経った後に「Why don’t you change the menu from time to time?」と旅館の主に尋ねたら、主が「Why do you stay here so long?」と言い返したと言う話を聞いたことがある。 この旅館は、メニューの種類を2〜3種類しか用意していないので1週間の滞在が当たり前のヨーロッパの客のニーズには対応していないのだ。
ホテルや旅館の少なくとも3割が「外国人旅行者を泊めたくない」と考えていることが、総務省の観光関連業者に対する最近の意識調査でわかっている。 経済のグローバリゼーションによって日本の製造業の国際化が進展したが、今度は観光業の国際化の番のようだ。
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21 December 2009
Blog 牛場春夫の業界雑感
フォーカスライトJapan